国や地方自治体など、公的機関の案件を発注する入札制度。
行政書士として活躍されている青木幹治(あおきもとはる)さんは、入札参加資格申請業務を行っています。
青木さんに、入札制度に参加するメリットや今後の展開についてお聞きしました。
入札とは、国や地方自治体などの仕事を民間の企業が競り合って受注者を決める制度です。
公的な仕事は幅広く、内容も多岐に渡ります。たとえば、役所内や公園などの清掃や管理、自治体が行うイベントの企画、運営などです。そのほか、自治体の公式ホームページの作成や、役所で使うデスクや椅子などの什器、パソコンや文房具などの備品購入にも入札制度が使われています。
入札自体は、企業に限らず自営業の方や個人の方も参加可能です。しかし、入札に参加するためには入札参加資格申請が必要です。
私は、入札のサポートの入り口として、企業や自営業の方に変わって、入札参加資格申請を行っています。
入札の仕組みを多くの企業や自営業の方に知ってもらい、事業拡大のお手伝いをしたいと思ったのが、入札のサポート業務を目指したきっかけです。
もともと、行政書士として建設業や産廃業などの許可申請関係の仕事を多く受任してきました。
私も、入札業務に携わるまでは、入札がどのようなものか詳しくは知りませんでした。入札に対して、マイナスなイメージを持っていたのも事実です。
しかし、入札制度は多くの方にチャンスがあると知り、業務として取り扱おうと考えました。
入札は、家族経営の企業や個人事業主など、小規模な事業者でも参加が可能です。
道路工事や公共工事などのイメージが強い入札制度ですが、サービスやデザインなども扱われているため、多くの方にチャンスがあると考えました。
省庁関係の入札資格である全省庁統一資格に注目してみると、この資格をもっているのは、日本にある企業の2%ほどです。参入の余地はまだまだあり、これから需要が伸びるため、販路を見いだせると考えています。
入札参加資格申請は、インターネットや郵送でも申請が可能です。
現在は、東京にいながら地方の自治体の入札参加資格申請代行も行っています。
入札に参加するメリットで、もっとも大きいものは安定感です。国や自治体など、公的な仕事は、信用や安心感につながります。
取引先に公的機関があると、対外的にも信頼できる企業だと判断されて、ほかの仕事も受けやすくなります。
実績を見た地方自治体から直接依頼される場合もあるので、公的な仕事が継続しやすいのもメリットです。
プロモーションや広告などの販売コストや紹介料などが一切かからないので、得られる利益の大きさもメリットのひとつといえるでしょう。
実際に、最低金額で受注が決まる場合は、安く請けて利益があまり得られないという問題があります。
しかし、案件によっては、最低制限価格というものがあり、品質が損なわれることを避けるため、安すぎても失格となります。すべての仕事が、入札金額により受注が決まるわけではありません。他にも、入札制度には、企画競争(プロポーザル方式)という、どこに仕事を依頼するかを内容や能力を審査して決める方法もあります。
入札参加申請代行以外に、入札案件の検索の仕方や資格の期限管理などのフォローも行っています。また、入札参加資格の更新業務も代行しています。
行政書士は、入札参加資格申請の代行はできますが、入札自体は代行できません。そのため、クライアント様がスムーズに入札できるような、サポート体制を整えています。
入札資格のサポートをすることで、クライアント様の販路や事業の拡大に関わりたい思いがあります。
入札制度は参加者が少なく、自分に関係ないと考えている企業の方も少なくありません。入札の魅力を知ってもらい、いろいろな方に入札制度を利用してもらいたいです。